怪物くん (テレビドラマ)

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テレビドラマ

怪物くん
ジャンル テレビドラマ
原作 藤子不二雄
脚本 西田征史 ほか
演出 中島悟 ほか
出演者 大野智
松岡昌宏
八嶋智人
川島海荷
上島竜兵
チェ・ホンマン
濱田龍臣
稲森いずみ
鹿賀丈史 ほか
製作
プロデューサー 池田健司 ほか
制作 日本テレビ
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2010年4月17日 - 6月12日
放送時間土曜日21:00 - 21:54
放送枠土曜ドラマ (日本テレビ)
放送分54分
回数9
公式サイト

特記事項:
第1話は21:00 - 22:10に放送。
第2話は21:00 - 21:56に放送。
テンプレートを表示

テレビドラマは2010年4月17日から6月12日日本テレビ土曜ドラマ枠で放送。主演は大野智。撮影にシネマ風エフェクトを用いている。ハイビジョン制作。地上アナログ放送では同作品より16:9レターボックス映像で放送。

キャッチコピーは「愉快、痛快、奇々怪々!!」で、モノクロアニメ版OP曲「おれは怪物くんだ」にある歌詞からの引用である。主演の大野は同局の連続ドラマは初主演。チェ・ホンマンは連続ドラマ初出演、子役の濱田龍臣は民放での連続ドラマは初レギュラー出演となる。ドラマ全話とSP版のショートストーリーは、ドラマ版のオリジナルで脚本家の西田征史が手がけた。

実写ドラマ化にあたり、原作者の藤子不二雄は快く了承したが、主人公である怪物くんに大野智を起用すると知り、人気絶頂のアイドルが怪物くんを演じることに驚き[1]、「どう考えてもイメージが結びつかなかった」[1]という。しかし放送開始後、藤子は「みごとに大野クンが自分の怪物くんをつくりあげてくれた!」そして「テレビにへばりついて見ている!」[1]とコメントしている。

ドラマの最終回には、大野と同グループの松本潤が特別出演した。そして、2010年6月26日に特別編として「もう帰って来たよ!!怪物くん全て新作SP」が放送された。ドラマ本編で語られなかったエピソードをショートストーリー仕立てにした番外編的な内容であった。デモキンやデモリーナ等の悪魔族の面々は登場しておらず、そのせいか本編に比べてギャグ色が強くなっており作者本人が探偵役で出演し、またストーリーの一つは大野の先輩であり、本編でデモキンを演じた松岡昌宏が演出を担当した。

キャスト

◎はSP版のみ登場

怪物界
悪魔界
人間界
  • 市川ウタコ - 川島海荷
  • 市川ヒロシ - 濱田龍臣
  • お巡りさん - 三宅弘城
  • 大家さん - 福井裕子
  • ノブオ(ヒロシのクラスメイト) - 上田瑠星
  • ケイタ(同上) - 阿部圭吾
  • マサル(同上) -
  • 高杉よし江(デモリーナのかつての姿)の弟 - 中村咲哉
  • OPナレーション - 吉田真澄
  • 名探偵A(エース) - 藤子不二雄Ⓐ特別出演)◎

スタッフ

主題歌・挿入歌

Monster」(ジェイ・ストーム
歌:     
ユカイツーカイ怪物くん」(ジェイ・ストーム)
作詞:藤子不二雄A、作曲:小林亜星、歌:大野智

サブタイトル

各話 放送日 サブタイトル 演出 ゲスト 視聴率
第1話 2010年4月17日 人間界で修行ザマス!! 中島悟 迫田孝也、伊藤幸純、龍坐、小池唯松山尚子 17.5%
第2話 2010年4月24日 お金はうまいでガンス 隈部洋平、七枝実あじゃ水野智則佐武宇綺朝日奈央 15.6%
第3話 2010年5月1日 坊っちゃんが二人!?ザマス 石尾純 久保貫太郎 12.8%
第4話 2010年5月8日 オトシヨリ最高! 王子号泣 中島悟 佐々木すみ江平沼紀久加瀬尊朗亀山助清
唐木ちえみ森康子貞平麻衣子
13.1%
第5話 2010年5月15日 恋のパワーは無敵ザマス!! 石尾純 入山法子東根作寿英馬場典子深水元基野村信次
嘉陽愛子藤沢奈奈大村沙亜子
12.5%
第6話 2010年5月22日 怪物大王の親心&デモキン復活 中島悟 岡田達也津乃村真子 12.1%
第7話 2010年5月29日 最終試練! さよなら人間界 狩山俊輔 ヨシダ朝 13.9%
第8話 2010年6月5日 怪物界vs悪魔界因縁の最終対決 石尾純 - 14.1%
最終話 2010年6月12日 人間最高! 王子パワー解放 中島悟 松本潤累央ヨシダ朝 13.7%
特別編 2010年6月26日 もう帰って来たよ!!
怪物くん全て新作SP
石尾純
狩山俊輔
松岡昌宏
ベッキー藤子不二雄A 11.6%
平均視聴率 13.9%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)
  • 第1話は「土曜の嵐第1夜・怪物くん開幕スペシャル」の第1部として、21:00~22:10の70分SP。更に直後番組『嵐伝〜今夜しか見られない嵐がわかりすぎるVTR一挙放出スペシャル〜』への接続はステブレレスだったが、『土曜ドラマ』と直後番組への接続がステブレレスになったのは、史上初。また第2話も21:56まで2分延長し、その後、嵐司会のトーク番組「嵐にしやがれ」の第1話とセットで「土曜の嵐第2夜・嵐にしやがれ開幕スペシャル」でその第1部として放送された。
  • 視聴率は『ヤスコとケンジ』以来の全てにおいて二桁台となった。
  • 最終回と特別編の間の週にあたる2010年6月19日は『コレってアリですか?』(2010年7月以降レギュラー化)の特別番組を放送した。このように最終回のあと1週置いて特別編を編成することになったのは、同時間にテレビ朝日が2010 FIFAワールドカップの日本×オランダの試合を放送したためで、特にドラマを同時ネットしている日本テレビ系列局のうちテレビ朝日系列が無い地域の局(山梨放送北日本放送四国放送高知放送)が視聴者保護によりワールドカップの同時放送を行ったことから敢えてこの日を空白としたことによる。

漫画・アニメ版との相違点

ドラマ版のストーリーは、原作やアニメ版とは大幅に異なっている。そのため、ここでは、設定上の相違点のみを挙げる。

怪物くんと怪物大王
怪物くんが王位継承にあたっての修行のために人間界にやってきたという設定は同様だが、ドラマ版では怪物大王に半ば強制的に送りこまれる。人間達に怪物と知られたら怪物ランドに戻れないという制約が課され(その為、ドラマ版ではヒロシやウタコも怪物くん達が「怪物」であることを知らず、怪物くんの「怪物太郎」という名前も変わった苗字という認識しかしていない。ヒロシは怪物くんの真の姿や力を目の当たりにした事があるが、それを手品だと思っており彼をマジシャンだと勘違いしている)、また屋敷以外の経済的援助は受けていない。
怪物くんの怪物大王に対する呼び方が原作やアニメで多かった『親父』ではなく、ドラマ版では原作でたまに使っていた『パパ』。怪物大王は原作ではまさに「怪物」のごとき外見を呈しているのに対し、ドラマ版では(鹿賀丈史が演じていることもあり)人間に近い外見となっていて、また第6話では人間の姿で人間界を訪ねている。
怪物くんの好物は原作ではあんみつだが、ドラマの展開の為かドラマ版ではカレーライスになっている。また原作やアニメと違い雷を怖がる描写はない。
原作やアニメでは怪物ランドと人間界の往来は飛行によって行うが、ドラマでは屋敷内の「審判の間」なるゲートでつながっていて爺やが番人を務めている。ただし、大王の許可がないと通れない。
怪物くんが被っている帽子は念力を封印する効力を持ち、爺やが密かに渡した魔王石が光った時のみ念力を発揮できる。この石はふとしたことから怪物屋敷に侵入したヒロシが拾い、第3話にて悪魔族から守るために飲み込んでしまい、以降はヒロシが近くにいない限り念力を使用できなくなる。なお怪物くんには魔王石の詳細は知らされておらず、本人はただ単に「(ヒロシとの)友達パワー」のおかげで力が使えると思っている。魔王石は第6話で怪物大王に取り出され、第8話で復活したデモキンが奪い返す。最終的には怪物くんが破壊した。また封印の帽子は怪物くん達が帰国した後に屋敷に残され、ヒロシの手に渡る。
怪物くんのお供
ドラキュラは日光には弱いものの昼間でも活動可能(夜の散歩に出かける描写がない)。また、原作では人間界で吸血を禁じられていて、血の代用として飲んでいるトマトジュースが、ドラマ版では好物となっていて、怪物ランドにいるときも愛飲している。また、八嶋智人が演じていることもあり、眼鏡をかけている。原作での一人称は「あたし」だったが、ドラマ版では一人称が「ミーMe)」という外国かぶれ口調(英語圏)になっている。
原作のオオカミ男は丸い物で変身した場合は中途半端にしか変身しないが、ドラマでは完璧に変身できる。またコックであるという設定がなくなり、料理についての描写もない。また、ダチョウ倶楽部上島竜兵が演じることもあり、頭髪が生えており、体系も痩せ型になっている。
原作のお供三人にはそれぞれ息子がいるが、ドラマ版では子供(ただし女児)がいるのはオオカミ男のみである。
フランケンは「フンガー」しかしゃべれないが、第9話では、人間界で言葉を覚えたため、しゃべれるようになった。また、ウタコに好意を抱いている。またチェ・ホンマンが演じていることもあり、顎鬚が生えている。
怪物くんとお供の三人は、怪物ランドと人間界では姿が異なっており、怪物ランドでは4人とも人間からはかけ離れた姿をしている。
その他の人間
市川歌子は高校生という設定となり、年齢も16歳に変更。名義も「ウタコ」とカタカナになっている。
ヒロシは貧しさの劣等感から虚言癖があり、友達が出来ずにいた設定となっている。初めての友達が怪物くんとお供三人である。
ヒロシのクラスメイトがドラマオリジナルとなる(キザオ、番野ではない)。アコちゃんが出たのは、名前のみ。
その他の怪物・悪魔
爺やは、怪物大王同様に原作では「怪物」らしい外見だが、ドラマ版では人間に近い(俳優の顔つきを残したメイクの)外見となっている。これはドラマ版の怪物や悪魔全体に言える傾向で、(着ぐるみなどを使う様な)極度に人間離れした外見の者は殆ど登場しない。
プリンス・デモキンは外見や性格、物語上の位置づけ等が大幅に異なっており、百年前に怪物大王との対決に敗れ、力を打ち砕かれたという設定。また彼を復活させるためのキーパーソンとしてドラマオリジナルの悪魔(デモリーナ、アックマー、Dr.マリス)が登場。「ダークマター」と言う装置で人間の欲望を吸い取り復活のエネルギーとする。

ドラマオリジナルキャラクター

デモリーナ
悪魔界の女性でプリンスデモキンの側近的存在。かつては高杉よし江という100年前の時代の人間だったが、親や恋人に裏切られるなど人間達の醜い姿を目の当たりにして人間に絶望し、湖に入水自殺しようとした所をデモキンによって悪魔に生まれ変わる事となった。かつてデモキンと共に怪物ランドを襲撃するも失敗し、現在は力を封印されたデモキンを復活させる為に人間界で様々な暗躍を行うも怪物くん達の妨害に苛立ちを募らせている。目的の為なら手段を選ばない冷酷非情な性格で、過去の事から人間の事も徹底的に蔑んでいるが、未だに人間的な感情を捨て切れていない部分もあり、デモキンに対しても人間に近い情愛を向けている節がある。最終話でヒロシを庇って石化してしまったウタコの姿を目の当たりにした事で人間にも清らかな心を持った者がいる事を認識し、デモキンの野望を裏切り、人間の子供を解放するも、デモキンに感づかれて刺され、怪物くんに全ての世界、そしてデモキンを救う事を託して息絶えた。
後に彼女の亡骸は怪物くんとの戦いに敗れて説得されたデモキンによって保護され、自らの手で必ず復活させる事を約束していた。
アックマー
悪魔族の戦士でデモリーナの部下。人間の姿をとる事や他者に似せて化ける事も可能。デモリーナの命令でデモキン復活の為人間の様々な欲望を吸い尽くそうとするも、怪物くん達の妨害で失態を繰り返してはデモリーナに罵倒され続けていた。内心では元人間であることからデモリーナを快く思っていなかったようであり、最終的には第3話ラストで自分を罵り続けるデモリーナに罵り返した所、怒りで我を忘れた彼女の攻撃を受け死亡、砂と化した。悪魔の割にはまともな事や常識的な事をいう事もしばしばだった。
Dr.マリス
悪魔族の科学者。デモキン復活の為には魔王石が必要だと見抜き、アックマーが死亡してからは彼に代わって暗躍も行う。表向きにはデモキンやデモリーナに忠誠を誓っているように見えるが、内心では魔王石を手にしたらデモキンに取って代わって悪魔族を支配する事を目論んでいる。第8話で本性を表し反旗を翻すも失敗し、デモキンによって始末された。
大家さん
アラマ荘の家主。年配の女性。
ノブオ・ケイタ・マサル
ヒロシのクラスメイト。いじめっこ。
お巡りさん
毎回怪物くん達と鉢合わせては成り行きで突き飛ばされていて、いつも牢屋に入れている(ただし、許しがあると出してくれる)。終盤では彼らが帰国すると知って淋しがっていた。口癖は「これはマズいね~」。
正義くん
デモキンの仮の姿。不完全な状態で復活したため、当初は自分の名前を含む全ての記憶を失っており、一度怪物くんに引き取られ、その後「彼を知っている」というよし江(デモリーナ)に引き取られた。記憶喪失時は正義感が強い好青年だったが、記憶を取り戻したことでデモキンの本来の性格に変貌する。

関連CD


脚注

外部リンク

日本テレビ 土曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
左目探偵EYE
(2010年1月23日 - 3月13日)
怪物くん
(2010年4月17日 - 6月12日)
美丘-君がいた日々-
(2010年7月10日 - 9月)